部屋の中から

会社を辞めてぷらぷらしている男が趣味について何か書いていくブログ

【プラネット・ウィズ】正義か、優しさか、という問題について。あるいは、第6話と第10話の陰と陽。

 

第6話と第10話の展開はかなり似ていて、そうであるが故に相違点がはっきりと分かる構成になっていた。

そしてその相違点にこそ、プラネット・ウィズの主張が込められていた。

 

第6話で、宗矢は竜造寺隆を下駄パンチでぶっ飛ばす。

隆には隆なりの正義があるが、力で全てを支配してから、全てを守ろうとする、そのやり方に反発もあった。

その反発は宗矢の言葉「正義なんか下駄ほど役には立たねえよ!!」に集約される。

竜造寺岳蔵じいさんは、隆に子供の頃の優しさを取り戻してもらいたかった。

岳蔵じいさんのメッセージを宗矢から伝え聞いた隆はさらさらと粉みじんになり、消えていく。

竜の力を利用していた隆を倒した達成感と、人を殺してしまった後悔もあるのだろうか、宗矢は涙を流す。

 

第10話では、先生が下駄パンチで閣下が首から提げていた小型封印装置を破壊する。

カレルレン閣下にも正義があった。

地球人を力で他者を征服するシリウス人のようにしたくなかったのだ。

「二度とリエルのような悲劇を起こさせない」という信念があった。

リエルの王女は閣下の優しさに感謝しつつ、地球人を見守るよう説得する。

宗矢は「きっと地球人は間違わない。一時的な封印が優しい夢を見せたおかげで」とフォローを入れた。

和解の後、封印派と穏健派の宇宙船が涙を浮かべた。

 

宗矢が「戦いで物事を決める脳筋」と評したように閣下も、そして隆も、力でもって問題を解決しようとしていたことには変わりはない。

しかし扱われ方には大きな違いがある。

地球を防衛しようとした隆は「優しくあれ」と諭され、地球を封印しようとした閣下は優しさが感謝された。

若干、理不尽さを感じなくもない。

しかし、それは力しか信奉しなかった隆と、力を利用しつつも心の底では暴力を忌避する閣下の違いなのかもしれない。

 

ただし、弱者の側に立つ隆には余裕がなかったとも言える。

封印派の脅威に追いつめられていたから、己の人を越えた力に全てを託すしかなかった。

封印派の力が、隆の優しさを失わせた。

そのことこそが隆の死の遠因である。

岳蔵じいさんはそれを理解していたから、宗矢ではなく恒星間戦略兵器を 、つまり封印派の力の象徴を「息子の仇」と呼んでぶった切ったのではなかろうか。

岳蔵じいさんは、優しくある、ということを自ら実践したのだ。

第6話の最後で泣いた宗矢は、岳蔵のおかげで第10話の戦いの後には笑うことが出来た。

 

ただ、結局の所、穏健派は勝負に勝ったから意見を押し通せたわけである。

そして、岳蔵じいさんの乾坤一擲の斬撃がなければ戦いに負けていたかもしれない。

それを考えると、いかに正義や力を優しさの下に置くこの作品と言えども、武力を全否定することはしていない。

「力をふるうときは、優しさを裏付けとしなければならない」ということがプラネット・ウィズのテーマと思われる。

 

さて、残りの数話で竜退治が描かれ、多分隆が再登場するのだろう。

隆は岳蔵の思いを既に聞いた。

それを受けて隆がどのような行動を取るのか。

そこに注目していきたい。